水平面は垂直応力がσz = 196 kN/m2,せん断応力はτ
zx = 72 kN/m2であるが,これは時計回りなので地盤工学,
(土質力学)の流儀によってモール円では負にプロットされる.座標(196,-72)
鉛直面は垂直応力がσx = 154 kN/m2,せん断応力はτ
xz = 72 kN/m2であるが,これは反時計回りなのでモール円
では正にプロットされる.座標(154,72)
この2点を結ぶ区間を直径として描いた円が設問の応力状態を表現するモール円で
あり,これを下図に示す.
極Pは,水平面を示す座標(196,-72)からその作用面と平行な直線(水平線)を,また
鉛直面を示す座標(154,72)からその作用面と平行な直線(鉛直線)を引き,それぞれが円
上で交差する点で示される.
最大・最小主応力は上図のモール円の幾何学的な関係から簡単に求めることができ
る.モール円を作る元となった座標(196,-72) (154,72)と極P(154,-72)からなる直角三
角形から考える.
まずモール円の中心は,2点の中点なのでσ = (154+196)/2 = 175 kN/m2である.
また,モール円の半径は直角三角形の斜辺から求める.すなわち,
{(196-154)2+(72+72)2}1/2 ÷ 2 = 75
kN/m2
したがって
最大主応力は,σ1 = 175 + 75 = 250 kN/m2
最小主応力は,σ3 = 175 - 75 = 100 kN/m2
極Pと最大主応力面の応力を示す点(250 , 0)とを結ぶ直線は,最大主応力が作用す
る面と幾何学的に平行であるので主応力面の方向を示す.
最小主応力面の方向も同
様にして極を使って表現すると上図のようになる.
補足
主応力状態をx-z座標上に示すと下図の(2)となる.(2)と設問の(1)の応力状態とは
等価である.
上のモール円と対照させながらそれぞれの応力関係をしっかり把握しよう.