2002/12/02 出題分

はじめに,計算によって求める方法を示す。

最大主応力の計算
計算式

最小主応力の計算
計算式

最大せん断応力面の直応力とせん断応力の計算
計算式

主応力面のx軸からの傾きαは,

または,計算式

のいずれかとなる。応力の作用方向から判断すると45°以上であることがわかるので,
傾斜角はα263.4°である。
なお,回転方向は時計回りである。


モール円による図式解法

以上の関係はモール円を描いてみると理解し易い。
モール円は,x面に作用す る応力(73,36)とz面に作用する応力(127,-36)を直径とするので下図のとおりで ある。
(地盤工学の流儀では反時計回りのせん断応力を正とするので,x面のせん 断応力は負の値をとる。)

モール円

図から,円の中心は σm,円の半径は τm となること は容易にわかる。
したがって最大・最小主応力は円の中心から半径 分だけ加減した値となる。すなわち,
計算式
計算式
である。

最大主応力面の傾斜については,円の中心による回転角2αから求める方法と,
極Pを求めてこの点と最大主応力面を示す座標点を結んだ直線傾きから直接αを得る方法とがある。
前者では
計算式より,α = 63.4°が得られる。

また,後者の方法でまず極の座標を求めると,(σp,τp)=(127,36) であるので,
計算式
となる。
いずれもモール円の幾何学的な関係に基づいているので,
上の図をじっくりと参照しながら理解してほしい。

■ 解答にあたっての注意 ■

半数以上の学生が角度を最後まで計算せず,tan-1 のついた形で解答している。
数学の問題なら許されるかも知れないが,工学ではものを作るのが目的だから具体的な数値が必要となる。
ちゃんと電卓をたたいて計算結果を書くこと。
(まさかとは思うが,関数電卓を持っていないとしたら論外)

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