φ=20°の条件から Terzaghi の支持力係数を求める.
ここで,支持力計算における仮想の地表面を基礎底面の位置と考えると,
表面載荷重(サーチャージ) qsは,根入れ 1 m 分の土被り圧,
となる.(下図)
したがって,支持力 Q/B は以下の通りである.
ここで,もう一度支持力公式の内容を吟味してほしい.
右辺は3つの項から成っているが,
第1項は,破壊ブロックの自重項,
第2項は,地盤の粘着力による項,
第3項は,地表面載荷の効果による項
ということが言える.
今回の計算結果からわかるのは,地盤の粘着力の効果がかなり大きいことである.
次に大きいのは地表面載荷の効果であり,最後に自重の影響となっている.
もちろん基礎の形態や地盤の条件によって異なるので,常にこの順になるわけでは
ないことに注意する必要がある.
ここで,設計を行う基礎の支持力安定性を検討する上で,
各項の寄与率をふまえて工学的に考えることはとても大切なことである.
単に数字を公式に当てはめるだけで終わりにしないでほしい.
さらに支持力公式を眺めていると,どのように基礎の設計を考えていったらいいか考えることができる.
もし当初設計した基礎の支持力が不足していたとき,何をどうしたら十分な支持力が得られるか,
これを支持力公式から考えてもらいたい.
適切な解決法が見えてくるはずである.