2006/10/30 出題分

砂層の厚さ(透水距離)と両側の水位差より透水時の動水勾配を求める.

(1)よってみかけの流速は,Darcy則より,

が得られる.
(2)単位時間当たりの流量は,見かけの流速に断面積を乗じて求める.

(3)B点の水圧は,水の単位体積重量に水深を乗じて得られる.

ただしC点では,砂層を通過することによる圧力損失が生ずる一方,砂が入っていない部分(C〜D間)では流速が十分小さいため静水圧状態と見なせるので,C点の水圧はCD間の水深で決まってくる.


なんと,砂層の上下端で水圧が等しくなっている.直観的に,水は圧力が高いところから低いところに流れるという理解でいるとおかしな状態に思えるかもしれないが,この場合は,位置エネルギーの大小によって透水が決まってくる事例である.透水は,位置エネルギーと圧力エネルギーの和(すなわち全水頭)の大小で考えなければならない.
なお,もしD点に蓋をして透水を止めたとすれば,C点の水圧は静水圧状態になり,

が得られる.
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