2006// 出題分
(1)まず,全応力に関してそれぞれ主応力を計算してみよう.
最大主応力は,
また,最小主応力は,
となる.これよりTerzaghiの有効応力の原理に基づき下式のように最大・最小有効主応力を求める.
(2)モール円は,(1)で求めたσ軸上の有効主応力の座標点を通り,その中央が中心となる円である.
また下式で求まるx面,およびz面の垂直有効応力とせん断応力の座標点もモール円上の点であり,この点より極が得られる.
※ せん断応力は,要素を反時計回りに回転させる場合が正の象限にプロットされることに注意して描く.このモール円において,水平面に作用する応力(σz,τzx)の座標から水平線を引いて,これが円弧と交差する点が極である.
また,鉛直面に作用する応力(σx,τzx)の座標から鉛直線を引いても同じ結果となる.
<補足1>
x面およびz面に作用する垂直有効応力を下式で求めてから主応力の計算をしても良い.
なお,題意の応力状態を1学期の材料力学で学んだ応力テンソルで表示すると,全応力は,
で示される.また,静水圧テンソルはせん断成分がない等方状態となるので,
となる.よって有効応力テンソルは,
である.時々せん断応力から水圧を差し引く間違いが見られるので注意すること.
<補足2>
(1)の計算において右辺第1項は全応力の円におけるモール円の中心値であり,第2項の平方根はモール円の半径と等しい.
このことを下図のモール円で幾何学的に確認してみよう.
有効応力のモール円は,全応力モール円から間隙水圧分だけ中心が左に平行移動した円となっていることがわかる.
また,極を用いて,各主応力面の方向を図示した.
※ 演習の時間上ここまでは問うていないが,モール円に関しては上記の内容まできちんと図示できることがこの授業の要求水準である.
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