2006/12/18 出題分
質量5tの物体による集中荷重は,重力加速度を乗じて,
である.地盤内に作用する応力は,外的な荷重のほか,土自体の内部応力が存在しているから下式で鉛直応力を計算する.,
よって,深さ1mのA点における鉛直全応力は以下となる.
深さ2mのB点では,
深さ5mのC点では,
となる.
<補足>
土の自重による応力と表面載荷による応力値の深さ変化を比較してみよう.
上の計算式から,右辺第1項の自重応力は,地盤の密度が均一ならば深さに比例して増加することがわかる.一方,第2項の表面載荷による応力は,載荷点直下では深さの2乗に反比例して減少する.
これを下図にグラフ化して比較してみると,表面載荷による応力は,深さ1mまでに急激に減少し,2mでは自重圧の5分の一以下となっていることがわかる.
実は今回与えた表面荷重は,大型の貨物自動車1輪あたりのものを想定している.厳密には,タイヤは集中荷重ではなく面で接するので,ごく浅い部分の応力はもっと小さくなるが,この概略計算から道路の設計で車両荷重の影響を考慮すべき範囲が想定できる.
なお,大型車の10分の一以下の重量である普通乗用車による応力も併せて示したが,荷重の影響範囲は非常に浅いことがわかる.道路舗装の設計は基本的に大型車両の荷重で決まってくるのである.
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