土の単位体積重量に関するTips 

▲戻る

間隙比 e、含水比 w、単位体積重量 γ、飽和度 Sr、土粒子密度γs(土粒子比重Gs) などの関係は
なかなか覚えきれないですね。そこでなるべく簡単に導く方法を示してみましょう。
ただしここでは、各物理量の定義がキチンと理解されていることが前提です。


単位体積重量の考え方
土は、土粒子(鉱物固体部分)と間隙(水+空気)から構成されていますが、
まず、土粒子の体積をとして考えてみましょう。
そうすると、下図のようにそれぞれの体積と重量が求まります。
 

重量の項で、 Gsγw土粒子の単位体積重量
また水の体積eSr で表わされますね。

したがって、まず土の湿潤状態の単位体積重量γt が下式のように求まります。
    γt = W/V = (Gs+e Sr)γw (1+e) ............(1)

(1)式において、Sr = 0 の場合が乾燥単位体積重量γd となります。
    γd = W/V = Gsγw (1+e) ............(2)

また、Sr = 1(100 %) の場合は飽和単位体積重量 γsat です。
    γsat = W/V = (Gs+e )γw (1+e) ............(3)

実験などで はγd が始めに求まることが多いので、
(2)式を用いて間隙比を求めることができます。
 e = Gsγw /γd -1 .............(4)



含水比の考え方
含水比wは、水の重量/土粒子の重量  と定義されています。
上図において、水の重量は e Srγw 、土の重量は Gsγw ですね。
したがって、w = e Srγw/Gsγw = e Sr/Gs
書き直すと、e Sr = w Gs ..............(5)

(5)式を(1)式に代入すると、
    γt=  (1+ w)Gsγw (1+e) ............(7)



まとめ
土粒子の体積を 1 とおいたとき、
土の体積は 1+ e
水の重量e Srγw
土粒子の重量Gsγw  となることを思い出し、
次の2つの式が導ければあとは簡単です。
γt = (Gs+e Sr)γw (1+e)
e Sr= w Gs

※メモを見ないで一通り自分で導いてみましょう。



補足
単位体積重量γのかわりに密度 ρで表現すると(1)式は以下のようになります。
 
ρt = (ρs+ e Srρw) (1+e)

ρt :湿潤密度、γt = ρt g
ρs:土粒子密度、ρs = Gs γw
ρw:水の密度、γw= ρw g
    g :重力加速度


▲戻る