(1)まず破壊時の全応力を求める。最大主応力は初期応力に主応力増分を加えて、
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となる。また最小主応力である水平応力は変化せず、![]()
である。このσ軸上の2点を直径とするモール円を青線で下図に示す。(2)有効主応力は各全応力から間隙水圧分を差し引いて、
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となる。このσ軸上の2点を直径とするモール円を赤線で下図に示す。(3)σ'1f の点から水平線を引き、σ'3f の点から鉛直線を引いた円周上の交点がモール円の極Pであり、ちょうどσ'3f の点に一致する。
すべり面上の応力は、破壊包絡線とモール円の交点であり、この点と極Pを結んだ直線は、極の定義からすべり面と平行な関係となる。図においてすべり面は水平面から角αf傾いている。(4)破壊包絡線の傾き、すなわち内部摩擦角(せん断抵抗角) φ'は、モール円の中心と半径からなる直角三角形の幾何学的関係より、下式の通り求まる。
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補足
なお、参考までに載荷前のモール円を描くと下図のようになる。
載荷前はすべての方向の直応力が等しい、いわゆる等方応力状態にあり、せん断力が作用しないので円ではなくて一つの点で表現される。全応力はpo = 160 (kN/m2) の点にあり、この時の間隙水圧が20 kN/m2 なので有効応力は、po = 160-20 = 140 (kN/m2) の点にプロットされる。![]()