2004/10/18 出題分

(1)供試体の体積と乾燥質量が与えられているので、まず乾燥密度を求める。

乾燥密度からと乾燥単位体積重量を求め、さらに間隙比を次のとおり求める。
(2)完全飽和、すなわち飽和度100%の時の含水比は次の通りである。
(4)飽和度が50%の時の乾燥単位体積重量は下式で求めることができる。

以上の各パラメータ間の関係式は、実験でデータ処理を毎日行なっていると自然に身に着いてくるものだが、初学者が覚えるには少々てごわい。でも、間隙比、含水比、飽和度、単位体積重量(乾燥、湿潤)などの基本定義を最低限覚えておけば、その関係を誘導するのは意外と簡単である。
その一つとして、土粒子の体積を1とおいて誘導する方法がある。
詳細はこのページを参照していただきたい。

補足
計算するときには単位の扱いに十分注意すること。土を実験室で扱うときは g や cm というちいさな単位で扱っているが、建設の設計や現場レベルではt(トン)、kg、m などの大きなスケールとなる。したがって実務上は単位の換算方法に慣れておく必要がある。 参考までに水の密度と単位体積重量について下式のような対応関係があることを覚えておくと便利である。


別解法
ところで基本に戻って、丹念に土粒子、水、空気のそれぞれの体積と重量を求めて、これより定義に基づいて各パラメータを計算する方法も確認しておく。

(1)土粒子重量をまず求める。

これより単位体積重量を計算する。
続いて土粒子の単位体積重量の定義に関する関係式
より、土粒子の体積を計算し、全体の体積から空隙の体積を求める。
これより間隙比を下式の通り求める。

(2)まず飽和時の間隙水の重量を求めると、

となり、これより含水比を定義にしたがって求める。

(3)飽和度が50%となったときの間隙水の重量は、

となるので、したがってこのときの湿潤単位体積重量は下式の通りとなる。

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