2005/11/28 出題分

(1)初期条件におけるC点の鉛直有効応力は、前回の演習と同じなので、

式
となる。また地下水位低下後は砂層がすべて不飽和となるので下式で計算される。
式
これより、鉛直応力の増加分は次のとおりとなる。
式

(2)圧密時のe-log p 関係が直線で近似できるという性質より、間隙比の減少量が圧密前後の鉛直有効応力によって求まる。

式
一次元圧縮において、鉛直ひずみは体積ひずみと等しくなる。土粒子の体積を1とおいたとき、土の体積は 1+e であり、圧密による体積変化は間隙比の変化量と等価なので、体積ひずみは、
式
となる。


解答において、体積圧縮係数 mvを求めて、次にように体積ひずみを求めている例が多く見られた。

式
式

この方法は間違いというわけではないが、有効応力の増加量が大きな場合は大きな誤差が発生することに注意しなければならない。
体積圧縮係数は、応力-沈下ひずみ関係(p'-ε)のある応力点における接線の傾きである。
したがって、図のように圧密前の有効応力下での mvで計算したひずみ増分は、本来のひずみ増分より過大となってしまう。
e-log p 曲線

一方、圧密後の有効応力下での mvは傾きが小さくなり、
式
したがってひずみ増分は上の例とは逆に小さな値が得られる。
式
そこで、両者を平均すると、
式
となり、この値は圧縮指数から直接計算した値に近い値が得られた。



この事例ではおおよそ2%程度なので、もし粘土層が10メートルあるとすると20cmの沈下が見込まれることになる。ただしこの計算はあくまでも概算であり、実際の沈下ひずみは深さによっても少しずつ変化するため、1箇所のひずみから全体を精査することはできない点に注意する必要がある。

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