土に関する基本物理量は土粒子、水、空気の体積と重量から計算されるので、それぞれを求めてみる。
まず、円柱供試体の体積Vは下式による。なお、湿潤土の質量mおよび乾燥後の質量mtは, であるから、重力加速度をg=9.8 m/sとして湿潤単位体積重量を求める. 別解:土,土粒子,間隙水の重量を個別に求め,次式のように定義に忠実に従って計算しても良いもよい. 含水比は測定された重量比(質量比)より以下の通りとなる. 乾燥単位体積重量は,乾燥質量(重量)に基づいて計算する. 乾燥単位体積重量がわかれば,間隙比は下式で容易に求まる. なお,次のように乾燥密度と土粒子密度との関係でも簡単に計算できる. 含水比,土粒子比重,間隙比より飽和度を計算する.
補足
ここで,重力の概念に基づく単位体積重量と,質量の概念に基づく密度の関係について整理しておこう.同じ密度の物質であれば下式のような関係で計算できる.土質試験等で得られるデータは,試験の関係上センチメートルやグラムの単位で整理されることが多いが,実際の設計では構造物の大きさ故にメートルやトンのレベルで扱われる.ところが上式のように1g/cm3と1t/m3が同じ密度であるので,非常に単位換算が容易となる.この関係は是非覚えておきたい.
今回の演習問題を,これらの関係よりまず密度を求めて単位体積重量に換算してみたものが下式である.
補足2
ところで,土粒子,水,空気の体積はそれぞれいくらであろうか.まず,土粒子密度の定義は,であるから,土粒子の体積および空隙(水+空気)の体積は, となる.したがって,間隙比はその定義に基づいて下式で計算できる. 次に水の体積を求める. これが空隙の体積に占める割合から飽和度を計算する.
設問の物理量の定義を正しく覚えておくことは一番重要であるが,土粒子,水,空気の体積や重量をいちいち導くことはなかなかやっかいである.それぞれの物理量相互の関係式を用いた方が計算が容易になることが多い.しかし実験でデータ処理を毎日行なっていないとその関係式は初学者にはなかなか身に付かない。そこで、土粒子の体積を1とおいて誘導する方法を紹介しておく。
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