新潟県中越地震 調査第1報(10月24日) −その3−

新潟大学 大川秀雄・保坂吉則

その1 その2 その3


新潟大学積雪地域災害研究センターと連携して小千谷まで入りました。
道路が寸断されているため、そこまでがやっとでした。

主なチェックは2箇所
・信濃川右岸の、通称「妙見」での県道崩落現場
 ここは、雨量規制が時々かかるという問題があったため国道17号線を妙見堰を使って迂回させた場所です。
・妙見堰
 JRの小千谷発電所(山手線の朝夕のピーク時の電力を供給)の急激な放水量を平準化するためのものです。
 ほぼ東西方向の堰で、上記17号線も橋梁(越の大橋)として併設されています。ゲートの操作室が橋脚の上流側にあります。全部で9基。その操作室部分は外見上全く問題がないように見えましたが、よく見ると損傷があり、左岸側(西側)ほど大きく、西側から順に3基がかなりの損傷を受けています。他は軽微です。
 その上流側の管理用通路(橋梁)との隙間が約10cmありますが、3基とも通路と擦れています。西側ほど強く3基目はわずかな擦れです。

写真説明

調査写真
20:JR上越線下り線 シェッド出口の損傷、V字型の欠け

調査写真
21:JR上越線下り線 シェッド出口付近から長岡方向を見る 遠くで左水平方向に一部が曲がっている、徒歩で点検中のJR職員からの指摘、いたる所で変状があるとのこと、 前方約6Kで隣接する新幹線での脱線車両がある

調査写真
22:記念館の裏側(信濃川右岸)、地盤が約30cm沈下

調査写真
23:妙見堰通路の右岸側での段差、大きくは見えないが、手すりや縁石から判断して約30cm地盤が沈下している

調査写真
24:ゲート操作室上流側の通路、右岸から左岸方向(西方向)を見る   下流側は国道17号線「越の大橋」が併設されている

調査写真
25:左岸側にある魚道上流端の少し上手の低水路護岸の崩壊

調査写真
26:左岸側のゲート室と通路の接触、10cm開いているが強く擦った痕が見て取れる

調査写真

調査写真 27-1

調査写真 27-2
27:左岸側ほど損傷が大きい、27-2ではゲートが見える、左岸側3基が激しく、他は軽微

調査写真
28:左岸側の河川敷の噴砂跡

調査写真
29:その拡大

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 (文責:新潟大学工学部 大川秀雄)